下まぶたのタルミとり
まぶたのたるみは20代の後半から見られるようになります。皮膚が弛むだけでなく、筋肉(眼輪筋)の緊張も低下してきます。これに眼窩脂肪のヘルニアが加わると、いわゆるbaggy eyelidと呼ばれる状態になり、下まぶたが膨らんで、クマがさらに強調されることになります。
- 年齢・たるみ具合・治療期間などに対応する3つの施術法。
手術の種類
手術は、年齢やたるみの程度、休みの取れる期間などによって、次の方法から選択します。ただし、皮膚のちりめん皺や表情の皺は、今より良くはなりますが、完全に消えてしまうわけではありません。
- 下眼瞼除皺術
局部麻酔です。よほど遠方の人でなければ通院で行っています。
下まぶたの睫毛(まつげ)の2mmくらい下の部分を睫毛に沿って切開します。ここから余分な皮膚を切除するのですが、筋肉のゆるんだ人は筋肉を、眼窩脂肪のヘルニアがある人は脂肪を、それぞれ切除します。皮膚を撮りすぎると「あっかんべー」をしたような状態になりますので、手術中に口を大きく開けてもらったり、頭のてっぺんを見るように眼を上転してもらったりして、まぶたの皮膚を緊張させた上で、余分な皮膚を切り取ります。
手術時間は両眼で約1時間。5~6日目に抜糸します。
腫れは1〜2週間で軽快します。傷の赤味は3〜6カ月でおさまります。 - 多血小板血漿注入法(PRP-F)
患者さんご自身の血液中の「血小板」を濃縮して注入することで、加齢によるくぼみを改善する再生医療です。さらに血小板の活性を高める“成長因子(グロースファクター)”を加える最先端の方法により、効果や持続力を高めています。眼窩脂肪のヘルニアや皮膚のタルミが高度な方を除けば、最近はほとんどこの方法でクマの治療を行っています。一回の採血で、眉間やホウレイ線など他の部位も同時に改善できるので、大変満足度の高い治療法です。
- 脂肪注入法
たるみの程度が比較的軽く、クマの部分のくぼみが気になる人に適しています。
体の他の部分(ふつうはお腹)から脂肪を吸引、採取して、下まぶたの陥凹部に注入します。あまり欲張って小皺まで取ろうとして浅いところに注入すると、凹凸が目立つことがあります。
それでも、注入した脂肪は2週間で60~70%が吸収され、半年後には50%くらいに減少しますので、2割程度多めに注入するのが普通です。 手術時間は、30分以内。翌日からお化粧できるのが、この方法の利点です。 - ヒアルロン酸またはコラーゲン注入法
クマの影の部分(凹んだ部分)に注入します。所用時間は数分程度です。
個人差はありますが、効果の持続は長くて6か月~1年です。簡便な方法ですので、近日中に同窓会や発表会がある方とか脂肪注入のシミュレーションを行いたい方に最適です。注入後2~3時間でお化粧は可能です。