〈形成〉傷あとの治療
手術をするということは皮膚に傷をつけることですから、傷あとの形成手術であっても傷は目立たなくなるだけで、跡形もなく消えてしまうわけではありません。 また手術をしても、なかなか目立たなくできない部位もあります。腕、肩、胸、背中、脚などの部位は、傷あとがケロイド状に赤く盛り上がりやすく、注意が必要です。
傷あとの状態別手術方法について
シワの方向に沿った傷あと | 傷あとを切り取り、細かくきれいに縫います。 |
シワの方向に沿わない傷あと | 傷あとをなるべくシワの方向に沿うようにジグザグ(ZまたはW形成術)の傷あとにします。 |
幅の広い大きな傷あと |
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多汗症の手術にも有利 | 超音波の震動が皮膚の中に隠れているエクリン腺にもダメージを与えると考えられますから、多汗症の治療としても有用です。 |
小さな凹凸のある傷あと、ニキビ痕、 リストカットの傷あと | レーザーで皮膚の再生を促したり削ったりして目立たなくします。複数回の治療が必要なこともあります。 |
比較的大きな凹んだ傷あと | 真皮脂肪移植や脂肪注入、多血小板血漿注入法などを行います。 |
頭髪やヒゲの中の傷あと | 縫縮術または植毛を行います。 |
手術後の経過
手術後の傷あとは3~6ヵ月くらい硬くシコリのように触れ、赤みも6ヵ月~1年くらい続きます。したがって、傷あとが目立たなくなるのに半年から1年くらいかかりますから辛抱が必要です。 また、傷あとの大きさや部位によっては1回の手術で満足できる結果を出すことが難しいこともあり、このような場合、初回手術から1年後くらいに修正手術を行います。